《めてみみ》韓国からの逆輸入

2025/08/05 06:24 更新NEW!


 「現地で売る予定がなくても、まずは韓国で商品のお披露目をするんです」。とあるスキンケアブランドで商品開発を担当する研究員が教えてくれた。美容効果の高い成分を多く配合した製品を他社より安く販売しており、主力販路は大手のドラッグストアチェーンだ。

 価格を抑えるために広告宣伝に多くお金を使えない。そこで美容大国の韓国でフォロワーの多いインフルエンサーを集め、新商品の説明会をする。薬機法の違いから日本では化粧品に使えても、現地では難しい成分が入った商品があるとインフルエンサーは飛びつき、SNSに上げる。

 それを見た韓国の旅行者が日本のドラッグストアでその商品を買い、同じくSNSで存在を知った中国や台湾の旅行者も買う。

 日本人もこのPR方法だと商品を買ってくれて、ヒットするのだという。買ってくれるのは00年代に音楽やドラマをきっかけにハマった大人世代と、韓国カルチャーに幼少期から触れて育った10~20代の両方だ。

 ある大手セレクトショップのトップは「10~20代の頃、好きになったスタイルは30~40代になっても残る」と言っていた。だとすれば、冒頭のスキンケアブランドのようなPRは有効だ。そうしたやり方でヒットを生み出そうとするブランドや小売業は、ファッション分野でこれからもっと増えていくかもしれない。



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