来年は日本の暑い夏をどんなアイテムで乗り切るか。性別やテイストの違いにかかわらず、どのブランドにも共通する話題だ。海外ラグジュアリーブランドの展示会では、暑くても快適に過ごせて、エレガントに見えるアイテムが多く揃った。
目を引いたのは、イタリアのブランド「ヘルノ」が紹介したウールトロピカルのシャツとパンツ。薄くて軽くて、通気性が良いので暑い夏でも心地良く、セットアップで着るとスマートなたたずまいが楽しめる。ビジネスシーンでも様になるとあって、注目度が高かった。
ウールトロピカルは、細い梳毛糸の平織り。タッチがサラサラしていて肌離れが良く、上品な光沢や張りがある。夏のメンズスーツに使われる定番素材で、シャツやスラックスにも向いている。マスキュリンが注目される26年春夏のレディストレンドにぴったりとはまった。
レディス市場では使われる機会の少なかった素材でもある。男性には知名度が高いが、女性誌のファッションエディターですら知らなかった人が多く、新鮮な素材として受けとめられたという。
ウールは、吸湿性や防臭性の高さも魅力。汗をかいても臭いにくいため登山の必需品でもあり、その機能は折り紙付き。最近はウールのインナーにこだわる人も増えてきた。改めて、天然繊維に備わった底力に着目したい。
