《視点》ウェビナー中止

2022/08/03 06:23 更新


 デジタルベンダー主催で、経営コンサルタントとの対談形式のウェビナーが開催日直前に中止となった。中止の発端は、ウェビナーの視聴登録リストのリード情報を渡すことを、コンサルタントが急きょ求めてきたことにある。ベンダー側はコンサルタントに講演料を支払う。しかし、個人情報の共有に関する合意はしていない。ベンダー側は担当の女性社員を通じて、「個人情報保護にかかわるプライバシーポリシーの観点から情報を提供することは出来ない。ウェビナー登壇条件とは別次元の問題」との趣旨で断った。 

 するとコンサルは、ベンダーの社長に「担当する女性に私が登壇することのメリットを理解することができるのか」と女性蔑視と受け取れるメールを送り付けてきた。更にコンサルは「ウェビナー当日は、風邪などの病気になるかもしれない。キャンセルを考えてくれ」と脅しをかけてきた。

 ベンダーの社長は「担当の女性は優秀な社員だ。性別を切り口に揶揄(やゆ)するような発言は弊社の社長としては看過できない」と切り返し、数百万円の損失を覚悟の上でウェビナー開催中止を決めた。倫理観を含むコンプライアンス(法令順守)を重視した至極当然の判断だ。

(民)



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