《視点》変化への対応

2021/10/28 06:23 更新


 東京では1月から9月まで、断続的に続いた緊急事態宣言がようやく解除された。営業を再開した飲食店も多く、通勤電車の混み具合も以前に近い時もあり、経済も人の動きも少しずつ活気を取り戻しつつあることを実感する。ファッション企業でも、展示会やイベント、出店の話が増えつつある。

 先日、取材したアパレル企業の社長が「コロナ下で企業活動が制限され、各社が新たな事業への投資と成長戦略を考える機会となったのでは」と話していたが、確かに取材していると、コロナ下で出店戦略を変えたという企業は多いようだ。

 新規で目立つのはライフスタイル提案を行う業態や店舗。アウトドアや雑貨、眼鏡などの専門店の出店が多いほか、既存のアパレル店も家ナカ需要に対応し、生活雑貨や食品、フレグランス、植物や花、家具などの品揃えを拡充してミックス提案する事例が目立つ。立地では、コロナの影響が少なかった郊外ロードサイドへの出店が増えている。

 アパレル専門店や書店が、新たなパートナーと組み、雑貨や文具、カフェを併設した新店を出す事例もよく聞く。消費者の意識や需要の変化に対応し、進化するファッション企業各社の動きに注目したい。

(陽)



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