《視点》ビジネス街からボードカルチャー

2021/08/24 06:23 更新


 「コロナ禍のなかで、世界中で販売が急拡大して、とにかく在庫が無いッス」とは東京・日本橋室町のビジネス街にほど近いスケートボードショップのオーナー。世界的にリモートワークが定着するなかで「地面があればどこでも、すぐにできる」のが人気の要因。最近では五輪競技として注目を浴び、スケートボード熱に拍車がかかっている。

 JR神田駅から徒歩1分にある同店の顧客は、平日は近隣に勤める〝可処分所得が比較的高い〟20~50代のビジネスマンが中心。週末にはその家族が親子連れで訪れる。やんちゃなストリートカルチャーである従来のファンとは異なる層に支持されている。

 実は、東京の大手町や日比谷、赤坂など高層ビルが立ち並ぶ地域は、世界中のスケーターにとって「クールなエリア」として人気が高い。著名スケーターがSNSの撮影場所として訪れることも多い。

 同店はウェブサイト上で、スケートボードのパーツであるデッキやトラック、ウィールなどの組み立てをシミュレーションできるシステム「ビルダー」を開発して、ECでの販売を伸ばしている。

 日本のビジネス街から発信する独自のスケートボードカルチャーが生まれる予感がする。

(民)



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