《視点》国産テキスタイル

2020/10/30 06:23 更新


 なかなか終わらないコロナ禍でのマスク需要。街中では、おしゃれなマスクを着けている人が増えてきたように感じる。多くの産地企業もマスク生産に取り組んでいるが、これをきっかけに産地のブランド力を高めることはできないだろうか。

 以前、産地ブランドの代表例である「今治タオル」の成功について話すと、テキスタイル産地の方に「でもほら今治タオルは製品だから」と返されてしまったが、マスクはそのほとんどがテキスタイルであり製品。

 これほど多くの産地の生地を消費者が直接触れた機会は今までなかったはずだ。使い捨てマスクは肌がかぶれやすいから使いたくないと話す女性も多く、肌触りの良さや風合い、発色の良さなど国産テキスタイルのメリットを訴える、またとないチャンスだろう。

 以前のように「テキスタイルだから最終消費者には届かない」と考えてしまうのはもったいない。このコロナ禍で多くの消費者が生地を求めてマスクを作ったことからもわかるように、テキスタイルと消費者の距離は以前より格段に縮まっている。

(騎)



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