「札幌のお店が買い物しやすいからと、わざわざ本州から来てくれるお客様もいます」。あるインナーショップのスタッフに言われた言葉だ。
私はこの春で札幌から東京に出てきて3年目を迎えるが、この街は買い物がしにくい。いくつも栄えている場所があり、その店に行けば欲しいものが必ずあると思える場所が多すぎるのだ。こっちにはあのブランドがあるけど、あっちに行かなきゃあのショップはない。人も多すぎて、一日で全て回ろうと思うと疲れて買い物どころでなくなる。服も買い物も好きだが、人混みや都会の喧噪(けんそう)になじめない。
一方、札幌はどうだろう。札幌駅と大通駅周辺に全てが集中している。愛すべき、ザ・地方都市だ。人生の大方を過ごした場所だからなおさらだが、移動もしやすかった。悩みに悩んだ買い物で、地下の歩行空間を何往復もしたことが懐かしい。
冒頭の店は売り場も広く、自分の欲しい商品もほぼ全て揃い、落ち着いて買い物が出来た。東京を筆頭に都心で暮らす人が、買い物のために地方へ旅行をし、ついでに観光というのも一つのスタイルとしていいかもしれない。
(萌)