《視点》〝正義〟がなければ

2019/05/24 06:23 更新


 「経営トップは〝正義〟がないといけない」と言うのは、社員約80人を抱えるリージョナルチェーンの40代オーナー。「当社の店長クラスで自分より若くて、商売の才覚に優れた人材はいる。彼らは聡明(そうめい)なので利益を合理的に追求する能力を持っている。しかし、それが社員の待遇に悪影響を与えることになってはいけない」と言い切る。

 「正義とは何か」と問うと、「社員が豊かに生活するための給料を出すこと。それを目的にもうけること」とシンプルな答え。地方都市で客数を増やして売り上げを確保することは難しい。「ならば、単価を上げていこうという発想になる」。アパレル商材を店頭での集客ツールとして活用しながら、最終的には20万円以上の宝飾品や高級バッグ、健康器具を販売し、客単価を上げて収益を確保するのが同店の定石となっている。

 同社旗艦店は郊外SCのなかでVIPルームを設けたサロン仕様で、母娘三世代対応型の店として顧客を迎え入れる。「すぐに商品を買って頂かなくても結構。時々来店して頂いて、そこで数時間、世間話をしてもらえば半年後には20万円、50万円の商品を買って頂ける」と自信を見せる。「代々引き継いできた創業90年の家業をつぶすわけにはいかない」と、明確でブレない〝正義〟が地方の老舗専門店をけん引している。

(民)



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