《視点》素人とプロの境界

2019/05/10 06:23 更新


 アウトドア愛好家らの間で数年前から、「MYOG」が広がっている。MYOGとはMake Your Own Gearの略で、ギアを自作することだ。

 彼らを素人と侮ってはいけない。フェイスブックのMYOGジャパンというグループでは、メンバーが自作のバックパック、ポーチ、サコッシュなどを投稿しているが、プロ顔負けのデザインや凝った仕様に驚かされる。自らの体験に基づく使いやすさの追求が、高いクオリティーにつながっている。

 最近では素材メーカーもマーケティングの一つとしてMYOGに注目し始めた。愛好家の間では、デュポンの不織布「タイベック」や、インビスタの高強力素材「コーデュラ」が指名買いされており、波及効果が期待できるからだ。

 アイデアと多少の器用さがあればMYOGは誰にでも始められ、インフラとなるシェア工房も全国に広がっている。以前の手作り品ならマルシェや専用サイトでこつこつ売るのが王道だったが、今はクラウドファンディングで資金調達と販売先も一気に獲得できる時代。素人とプロの境界線はますますなくなりつつある。

(恵)



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