《視点》サステイナブルの早道

2019/04/26 06:23 更新


 サステイナブル(持続可能な)を切り口とした素材提案がテキスタイル商社やコンバーターの間に広がってきた。天然繊維をはじめ、再生ペットボトル繊維やセルロース系繊維に関心が集まっている。

 日本のファッション市場は対応が遅れていると見られていたが、スポーツ系やアウトドア系、ナチュラルテイスト系のアパレルからの引き合いが増えているという。また「百貨店系ブランドも関心を示し始めた」など、日本市場にも徐々に浸透しつつある。

 本来なら素材や製品だけでなく、企業姿勢やブランド哲学としてサステイナブル対応が求められるのだろうが、施策や打ち出し方に苦慮し、「売り文句に使っているだけのように思われるのでは」と懸念する声もあるようだ。一方、実際の商談では関心はあるもののコスト面で折り合いがつかないことも多いらしい。

 「最初の動機はどうであっても、やがて真剣な取り組みに変わる事例はいくらでもある」という企業トップもおり、業界スタンダードとするために、提案を増やして素材や製品が活発に動き出すことが早道なのかもしれない。

(阿)



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