この春は色々と変わり目なのだと思う。元号が変わることは、多くの人が時代の終わりと始まりを感じているだろう。プロ野球ファンには、平成の名選手の代名詞でもあるイチロー選手の引退が一時代の終わりを思わせた。そしてその8日後、日本プロ野球の開幕で多くの新人選手が一軍入りを果たしたことに、新しい時代の到来を覚えた人もいるだろう。
この春、新入社員を迎えた会社は多い。新たに加わった若い仲間とのコミュニケーションで、世代間格差を感じざるをえない人も少なくないだろう。だが、そもそも時代は変化することが理なのだ。自らの経験にとらわれるのは、潮流に逆らっているとも言える。ましてや成功体験をひけらかしても、これからの時代に通用するのかどうか。
年長者にとって、新人が希望の星であるのは間違いない。そしてその到来は、受け入れ側が問われる場面でもある。音楽家、山田耕筰いわく「新しい芽を育てる。これが人間のいちばん美しいところだ」。美しくありたいものである。
(樹)