「ブラジャーのサイズを尋ねると、SMLで答える若い女性が増えている」。下着業界でこんな話を聞くようになった。最近主流のノンワイヤのハーフトップやカップ付きトップはSMLのサイズ展開が多い。サイズを測り、自分に合うブラジャーを選ぶという行為は、いまや特別なことになったのだろうか。
大きな流れでは、着けるのも、選ぶのも楽なブラジャーに勢いがある。ただ一方で、真逆とも思える補整や造形を目的としたブランドが、着実に店舗やユーザーを増やしている。決して安くはない価格のブラジャーを、カウンセリングを受け、サイズを計測してもらって買うというブランドの中には、20~30代が主力顧客のブランドもある。
ファッションと比較すると、ブラジャーはSNSに登場する頻度も少なく、自分だけの楽しみや自分だけのこだわりのアイテム。だからこそお金や時間をかけてケアをするのか、見えないから手を抜くのか。ブラジャー選びはその女性の生き方や考え方を反映しているようで興味深い。
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