《視点》バランス

2019/04/09 06:23 更新


 「目をつぶって買っても高くないし、品質も安心。これがしまむらのブランド力。それを回復しなくてはならない」とは北島常好しまむら社長。19年2月期は減収大幅減益。これを「ボトム」としての反転を期す。そこでこの間、裏目に出た政策の転換を急ぐ。

 前期、周年企画で用意した65円や140円といった驚きの価格は、客単価や粗利益率を下げたばかりでなく、「サプライヤーに負担がかかり、品質を押し下げてしまった」。そこで1900円など同社の「オーソドックスな価格帯に力を注ぐ」ことにしている。

 絞り込み戦略は「選ぶ楽しさがなくなった」とされたことから、レディスアウターのアイテム数を2割程度増やしているという。併せて売り場を変化させる短納期の商品も増やしている。とはいえ、絞り込んで量を構え、作り込んだのは商品の完成度を引き上げるため。ここでは転換というより「バランスをとる」ことが焦点になる。

 今期の計画はもちろん増収増益だが、「本当の意味での回復は22年2月期」。得意としていた地方で人口減が進むなど、高くなったハードルを超えて既存店売り上げを反転させ、価格と品質のブランド力回復に腰を据える。

(光)



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