《視点》印象の悪い取引先

2019/03/12 06:23 更新


 「SNSの発信だけで毎月100万円以上の売り上げがある。昨年12月には170万円をSNSだけで販売した」と、ある地方のレディス路面専門店のオーナー。「40代以上はフェイスブック、30代はインスタグラムを活用する傾向が強く、当店として最近はインスタグラムを強化している」と言う。これにより新規来店の確保につなげ、約60平方メートルの店舗での販売も伸びている。ECと実店舗の双方での販売が軌道に乗っている。

 そんな好調店にはアパレルメーカーの営業マンがこぞって訪れる。しかし、その専門店オーナーには〝過去の悔しい思い〟がある。「親の代からの事業承継など、店の改革途中で売り上げが伸びずにいたときに、取引を申し入れて断られたアパレルメーカーのことは今でも忘れない」と言う。そのアパレルメーカーから今になって取引のアプローチがくることがある。「過去の経緯を何も知らないで訪れる方がほとんどですが、私も人間ですので」と胸に一物はある。

 店頭売り上げの実績は無いが、チャレンジしている将来有望な経営者を見極める〝目〟がアパレルメーカーに必要だ。また、専門店からのアプローチの履歴を社内で共有する仕組みを持つことで、〝過去の経緯〟も踏まえた丁寧な対応が可能になる。

(民)



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