最近、地方セレクトショップのECが人気だ。オーナーバイヤーの個性的な品揃えをめがけて、地元のファンだけでなく、東京近郊の服好きが買いに来るようになっているからだ。
彼らはもともと都内の大手セレクトショップで服を買っていたが、最近、目当てのルックが見つけられなくなったという。欲しいブランドはあるものの、仕入れはシンプルなものが多い。消化率を重視するあまり、挑戦的な仕入れがしづらい。そんな大手セレクトのジレンマが背景にある。
そんななか、消費者はお目当てを手に入れるために、ネット検索を駆使して地方店のECにたどり着いたというわけ。海外ECの取り扱いが少ない国内ブランドの場合は特に、地方の店が面白いらしい。
今はブランドが全ルックを発信しているので、消費者自身がプレコレクションからメインコレクションまでくまなく把握することができる。その情報を頼りに、アグレッシブに探し回る。もはや、店で欲しい服を探すのではなく、欲しい服を扱う店を探すといった感じ。ニッチな市場ではあるが、他とは違う服を求めている消費者は確実に増えている。明るい兆し、見逃せない。
(規)