《視点》ECの見方と味方

2019/02/27 06:23 更新


 ファッションECでは「ゾゾタウンでの販売停止」と絡んで、「自社ECサイトの強化」が話題となっている。自社EC強化の重要性は、本紙が11年からネットコミュニケーション特集で、自社EC強化の意味とともに、業界内の先行企業事例や活躍する人材を紹介し、啓蒙(けいもう)の役割を果たせてきたと思う。その上で今回のニュースは、あらゆる企業で「見方」と「味方」を選び、自社の経営戦略に合ったEC事業の青写真を明確化すべき契機といえる。

 多くのファッション企業がECで自社商品を販売しているものの、「売れると言われる販路だから」という期待感でやっている企業が少なくない。特に運営について「分からない」を理由に担当者任せにし、「コストをかけないで」という足かせをつけ、うまく伸ばせない事例が多数ある。

 運用コストは、数年前のシステム利用料が千万円単位だったところから、今はゼロが一つ少なくなっている。

 ただ、ECを含むデジタル施策やシステム構築は万能ではない。各部署との意思疎通、それを柔軟に対応できる人材を経営層に抜擢(ばってき)していくことが社長の役割となっている。

(疋)



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