自宅周辺の環境がどんどん変わっている。文化住宅や銭湯がいくつもあり、昭和の匂いがする街並みが個人的に気に入っていた。
だが、昨年の大型台風による被災が後押しするように、こうした建物の取り壊しが進み、駐車場や新築の戸建てへと姿を変えつつある。
年初に、ある専門店のトップを取材した時のこと。「服屋として創業したが、まったく別の業種だったところが提案のカテゴリーを広げ、競合相手になっている」と、この間の変化を振り返っていた。確かに昨年も商売の垣根を越える様々な動きがあった。
これからも企業を取り巻く環境は大きく変わる。本業を磨くだけでなく、垣根を越えた新提案を打ち出したり、相乗効果を図っていく企業体も出てくるだろう。
「これからどんな企業を目指すのか、どんな形に変わるべきか。決断すべきタイミングに突入した」と前述の社長。企業としての変化対応力がいっそう問われる時代になった。「この業界で当たり前のようにある業種も、10年後、20年後にはなくなったり、違う呼ばれ方になっているのかも」という言葉が、実に印象的だった。
(畔)