最近、仕事やプライベートで大阪を訪れることが増えた。街へ出かける度に感じるのは、とにかく人懐っこい販売員が多いこと。商品を見ていると、すかさずやって来て話しかけてくる。しかもそれが押しつけがましくなく、すっと自然になじむのが不思議だ。
そのため、大阪ではつい財布のひもが緩む。買うつもりがなかったアクセサリーに靴、洋服。百貨店でもファッションビルでも、アメリカ村の古着屋でも、どこに行っても同じだ。
販売員は客の懐に入るのがうまく、親しみやすい。気づけば、好みや今欲しいもの、東京から来たなど色々な会話をしている。一人でも、まるで友人と買い物をしているように楽しく、あっという間に時が経つ。予定になかった買い物でも後悔はなく、むしろうれしさが残っている。
実店舗はやはり接客がだいご味だ。売れ筋は何か、色やシルエットが自分に合っているか。販売員のリアルな声や、そこからの気づきが買い物の価値を一層高めてくれる。関西出身の販売員の人懐っこさは生来のものという気もするが、いかに客の心をつかめるかが接客のカギになると改めて思う。
(麻)