《視点》企画精度の向上

2019/01/22 06:23 更新


 テキスタイル商談で納期が重要な焦点になってきた。国内市場ではコスト抑制の課題と並行して、需要が拡大する天然素材や合繊で国産素材の「納期遅れ」を懸念する服地コンバーターやアパレルメーカーが増えている。

 人気のある麻では「3カ月待ち」の素材もあり、「独自開発した輸入生地の方が早い」として、企画を切り替えるコンバーターも出ている。また、活発になってきた欧米輸出では、海外バイヤーから納期短縮の要望も強まっている。

 特に、ECの比重が高まるブランドほど「コスト以上に納期には敏感」だという。

 納期短縮が進まない背景には人気素材への集中や産地の縮小が重なっている。分業体制の下で、晒(さらし)しやサイジング、染色整理など各所でボトルネックが生まれ、供給が需要に追いつかない事態を招いている。

 こうした状況に対し、テキスタイル企業は「企画と発注の早期化やリスク分散」への意識を強めている。

 国内外市場ではこの間、常時在庫で即納対応できるストック企画が強みを発揮してきた。素材開発の強化とともに企画精度の向上に一段と磨きをかける取り組みが求められている。

(阿)



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