繊研新聞では今年の元日号の巻頭企画として、「平成はファッションビジネスをどう変えたか」をテーマとした。
この企画は、単に歴史として30年間を振り返るだけでなく、平成時代に起こった変化、成長した企業や商品、仕組みなどを知ることで、産業の現在をとらえるとともに、新しい時代の飛躍につなげてもらいたいと考えたもの。年長者は知っていることばかりかもしれないが、過去の歴史として懐かしむだけでなく、現在や未来につながるヒントを見つけてもらえればと思う。若い世代には、ファッションビジネス業界のたどった道を知るきっかけになっただろうか。
温故知新という言葉があるが、由来となった『論語』には、「故(ふる)きを温(たず)ね、新きを知る」のあとに「以って師と為るべし」という文が続く。古いことを学び、新しいことを知ってこそ、人を教えることができるという意味だ。過去を過去として終わらせることなく、現在と未来につなげられる人が、新しい時代を担う人材となっていくのではないだろうか。
(壁)