《視点》幅広く

2019/01/04 06:18 更新


 ダイヤモンド、ひと粒1カラットで1億円超え。ハイエンド向けの宝飾品マーケットでは昨年、そんな商品の動きが良かったと聞く。ピンクダイヤモンドなど、希少なカラーダイヤモンドを中心とした品で、近年は投資目的も兼ねて売買されることが増えている。

 億超え商材が店頭に並ぶことはまれだが、催事販売ではよく目にするようになった。この他にも、海外のオークションで売買されるアートジュエリーと呼ばれる作家物のジュエリーなど、珍しく、グローバルに価値が認められているものが、富裕層の間で支持が高まっている。

 かつて、ロマノフ王朝崩壊時には、亡命貴族が持ち出した逸品ジュエリーが市場に出回ったとの話を本で読んだこともある。昨年末の株価急落や不安定な世界情勢を見ると、自由に持ち出せ、価値の毀損(きそん)も少ない、手堅い資産なのかもしれない。

 一方で、昨年は合成ダイヤモンドの本格的な流通が始まり、業界に衝撃が広がった年でもあった。庶民としてはより身近な事象として、考えさせられることが多かった。ことほどさように、商材の幅の広さがジュエリー取材の面白いところでもある。今年もアンテナを張ってニュースをキャッチしたいと思う。

(維)



この記事に関連する記事