《視点》選択肢が多すぎる

2018/11/28 06:22 更新


 昔はファッションビルの各フロアをくまなく回って比較購買していたが、最近は、きれいめの服はこの数ブランドのどれか、リーズナブルなカジュアルやトレンド物はここかここに行くと決めた。優柔不断であれこれ見たいタイプだったが、買い物で悩みすぎると疲れると気がついたからだ。あの店は可愛いけどいざ着ると小さい、いつも店はのぞくけど特に欲しいものはないといった経験でふるいにかけ、満足いく買い物がしやすい店が残った。

 先日も取材先で、今の大人女性は「忙しいし、ヒット率の高い買い物がしたい」という話を聞いて納得した。レストランなら、ジャンルと予算とエリアと口コミで大体絞れる。対してファッションは色や形の種類も多いし、ブランドも無限にある。似合う似合わないは人によって違う。選ぶのがとても難しい商材だと改めて思う。

 別に自分もおしゃれをすることを手放したわけではない。ただ、その方法はもっと楽でいい。いつのまにか消費者に強いていた苦労を少しでも軽くする、そんな工夫をする余地はまだまだある気がする。

(石)



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