《めてみみ》美意識から生まれる需要

2025/10/31 06:24 更新NEW!


 阪急うめだ本店6階にあったプレミアム婦人服が、7階リビング用品売り場の横に移設・改装オープンした。新コンセプトに掲げた「アール・ドゥ・ヴィーヴル」は、フランス語で「暮らしの芸術」を意味する。対象客層は、知性や感性を大切にしながら、自分らしさを表現する洗練された大人の女性という。

 画家・真田将太朗による各ブランドのイメージを表現した絵画が、それぞれの売り場に飾ってある。ビンテージ家具やオブジェなどのアートピースを充実したブランドもあれば、食器などリビング・インテリア用品の品揃えを強化したブランドもあった。服だけを売るのではなく、客の持つ美意識から生まれる需要喚起が狙いにある。

 リビング売り場の横に配したのも、暮らしを大切にする対象客層であれば、双方の売り場での買い回りが見込めるとの判断からだった。今回の移設・改装は、「気温に左右されないファッション需要を生み出すための環境と品揃えを整えた」ということだろうか。

 服については実需対応のシーズンMDをベースに置きながらも、先物の提案を重視した「シーズンマルチ型の展開」にする考えだ。価格志向や気候変動の影響もあり、着回しが利くなどの汎用性が重視されてきたファッション業界。アートやインテリアなどが契機となって生まれる需要に注目したい。



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