無名アイドルはどうやってファンを広げているのか、という内容のセミナーが、なかなか示唆に富んでいた。
まずアイドルの立場を自分事としてとらえることが前提だが、アイドルを夢見る女の子は「本気」で願望し、そんな彼女をプロデュースする人、応援する人が現れ、いわゆる「事業」が始まる。この関係が持続するために必要なのが「親近感」。ただ、大抵のファンは画像やネット動画を通じての接点が多い。これを事業になぞらえると、テレビCMやECなど各種メディアで情報を発信するということになるだろう。しかし、真に大事なのは「リアルの接点」であり、さらに「リアルで丁寧に触れ合うことが最も大切」とパネリストらは強調していた。
実際に「アイドル=商品」に触れてこそ、熱が伝わり、応援したい気持ちが高まる。そして触れ合いの質が高ければ高いほど、関係が継続し、ビッグネームになっても「自分が育てた」という絆に発展する。注意しないといけないのは「接触し続けてくれる〝超ファン〟の期待を裏切らない」こと。特に「もうける」意識が透けて見えると離反が始まる。
今のブランドや事業に求められるのも「本気度」と「熱量」で、それを伝える接点の質の高さが「継続」を生む。
(疋)