91年の伝説的なテレビドラマ「東京ラブストーリー」が久々に再放送された。携帯電話を持っていない時代なので、会社に私用の電話がかかってきたり、会う約束をしてもすっぽかしや待ちぼうけがあったり…。アナログゆえのすれ違いと、もどかしさこそがこの作品のだいご味だ。
だぼっとしたスーツや肩パッドなど、登場人物の衣装にも時代を感じた。一方で、リカやカンチが着ていたスポーティーなコートは今年のトレンドともいえるし、ケーブルニットトップにチェック柄パンツの組み合わせなんて、18~19年秋冬のレディス展示会で先日見たばかりだ。90年代ブランドの人気復活などストリートファッションでの波は感じていたが、こういうオフィスカジュアルでも現代との共通項があるというのは興味深い。
今は頑張らなくてもスマートに何でもできてしまうから、それがかえってつまらないこともある。満たされない何かをアナログな時代に求めて、90年代ファッションが戻ってきているというのは考えすぎだろうか。
(石)