《視点》まだ伸びる

2017/11/01 04:00 更新


画像はイメージです

 インバウンド(訪日外国人)が再び盛り上がっている。昨年は円高に振れ、一昨年と比較して客単価がダウン、百貨店の免税売上高は落ち込んだ。マスコミは、インバウンドは終わった、爆買い終了と報道したが、円安基調の今年は一転。大手百貨店の多くが、17年度上期の免税売上高は前年同期比1.5倍で動いており、一昨年以上の規模に膨らんでいる。

 訪日客の消費も高額品から化粧品などの消耗品にシフトしたといわれるが、時計、宝飾、美術品、特選ブランドや婦人服飾雑貨も売れており、「客単価も伸びている」(各百貨店)。為替次第で高額品も売れるということを示した。

 大きな変化は、団体客が減り、個人旅行客が増えていること。これまで観光バスの団体客でにぎわっていた東京の下町のショッピングセンターは「店内を見渡すと訪日客は減っているように感じるが、免税売り上げは伸び続けている。日本人と見分けがつかない個人旅行者が増えているのだろう」とする。LCC(格安航空会社)の路線拡大で、訪日外国人の裾野も広がった。

 訪日外国人のなかで最多を占める中国人は、17年は年間で700万人程度が訪日する見込み。中国の人口が13億人を超えていることを考えると、まだほんの一部にすぎない。(藤)



この記事に関連する記事