「最近の家電の進化はすごい」と雑誌に書いてあったので、日曜日に駅前の大型家電量販店に行ってみた。レシピを教えてくれる電子レンジや、音の出る照明器具など「別にその機能はなくてもいいのでは」と思うくらい機能満載なのだが、それでも「へー、こんなこともできるんだ」という新鮮な驚きにあふれている。確かに見て回るだけでも楽しく、人が多いのもうなずける。
かたや洋服売り場を考えてみると、「へーこんな服あるんだ」という感動をどれだけ与えられているだろうか。例えば各店舗が見たことがあるような売れ筋を揃えた結果、店頭が同質化し、消費者が離れてしまってはまさに本末転倒だ。
ECがこれだけ普及している中で、店頭に求められる役割の一つは、消費者が想像もしていなかったような服との出合いを提供することだろう。その服を実際に着るかどうかは別にしても、見て回るだけで新鮮な驚きに出合えて楽しいという感覚はやはり重要だ。素材やデザインの力で「最近の洋服はすごい」と言われるような進化に期待したい。
(騎)