《視点》人工知能

2017/10/19 04:00 更新


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 TSIホールディングスは中期経営計画で、AI(人工知能)による需要予測を生産・販売に生かすという方針を掲げた。ネット販売の雄、アマゾンもAIでトレンド分析やデザイン開発を進めている。

 既に囲碁や将棋では、AIはトップクラスのプロ棋士を負かすところまで進化している。囲碁では、最初はプロ棋士同士が打った過去の棋譜(進行手順)をAIに読み込ませ、次にAI同士を対戦させて腕を磨いたそうだ。AI同士が打った棋譜を見たプロ棋士は、彼らでも理解できない進行に「なんだこれは」と絶句したという。あるプロ棋士は「人間には見えない世界が、AIには見えているのかもしれない」とつぶやいた。

 AIに果たして人間の感性を刺激するようなクリエイションが可能なのか、という疑問は当然ある。全く新規のものを生み出すのは難しくても、データ分析によって既存商品の修正の提案などはできるかもしれない。AIを活用したタクシーは、ベテランドライバーよりも効率的に客を拾えたという。数年後には、ファッションのヒット商品は意外な企業が生み出すことになるのかもしれない。

(尊)



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