《視点》アートと服

2017/10/03 04:00 更新


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 25年ぐらい続く、あるレディスブランドのデザイナーは最近、さまざまな分野のアーティストとのコラボレーション商品を作っている。アートや写真を服にプリントしたものが多く、それはよくある手法ではあるが、面白くて魅力的な服に仕上がっている。日常に違和感なく着られるさじ加減もいい。直営店ではコラボにちなんだイベントも行っている。

 取材先ではファッション消費の不振、厳しい現実の話になることが多いが、このブランドではずっとにこにこしていられる。デザイナーも社員も楽しんで仕事をしている雰囲気が伝わってくるからだろう。パリでアーティストに出会ったストーリー、そのアートがどんなふうにできあがるかなど、服につながる話が豊か。それがデザインにも表れている。

 売れるかどうかも、もちろん考えていると思う。しかしとにかく、いろんな人、顧客も一緒に今はファッションを楽しむことが大事とデザイナーは話す。文化やアートを懐深く受けとめ、感動する力を持った人の作る服は、さらに感動を生む。形や色柄だけではない新しさも感じた。(赤)



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