《視点》テーマ主義本屋

2017/09/26 04:00 更新


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 青森県八戸市が運営する書店が八戸の中心市街地にある。今夏、記者が訪れた八戸ブックセンターがそれで、八戸に関する本から「海」「漁業」「地方」など多様なテーマを設定して、テーマに沿った本を集めている。テーマ別に並べられている本を見ると、なぜか興味が湧いた。

 それぞれのテーマについてはかなり深掘りして揃えており、東京の大書店でも並んでいないような本も多い。つい手に取って中を見てしまう。手に取れるのが実店舗の良さだ。この本屋には雑誌や旅行ガイドなどは置いておらず、すべてテーマに沿ったものだけ。個人的に関心のあるテーマが多かったので、かなり長居してしまった。

 本屋は「本のまち八戸」を推進する拠点施設であり、本の販売だけで採算が取れているとは思えない。しかし、テーマに沿った本だけで構成するだけにとても新鮮で、その品揃えに大胆さも感じた。

 テーマをどう選ぶかが難しいし、利益がでるかどうかはわからないが、こんな本屋が東京にあってもいいのではと思う。自治体が本屋を運営することには賛否両論があるようだが、一つの実験としては面白い店だと実感できた。(武)




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