《視点》EC向け素材

2017/09/19 04:00 更新


 EC市場の成長やSNS(交流サイト)の普及により、テキスタイルビジネスにも変化が出始めている。今秋冬物では、すでに企画段階で大手の服地コンバーターが「EC市場で写真映えする個性的表現を重視」し、上質感や装飾性のある提案がレディスアパレルに人気だった。

 アパレル各社がECに注目するなか、メンズカジュアル素材を得意とする別のコンバーターでも18年春夏物から「インスタ映えする光沢素材などEC向け商材を充実する」という。

 「ECで先行する米国市場では変化も大きい」と欧米向け輸出を手掛けるコンバーターの社長。「ミレニアル世代(80~00年代初頭に生まれた人)を対象とするアパレル企業は、SNSを活用するかどうかで業績の優劣がはっきりしてきた」と断言し、米国ではインスタグラムなどで発信する先を選んで販売を強める。

 この間のコンバーターの素材商戦はカットジャカードやレース、刺繍をはじめとする意匠素材への引き合いが活発で、大胆なプリントへの期待感も根強く存在する。テキスタイル業界では今後も広がるとみられるECやSNSを意識した素材開発や販路拡大が一段と加速しそうだ。

(阿)



この記事に関連する記事