《視点》チェーン店と個店

2017/09/13 04:00 更新


 今夏、地元の山口市にオープンした「スターバックスコーヒー」がちょっとした話題になった。全国の都道府県庁所在地で最後の出店となったからだ。一般紙の報道によると、開店前には約150人が並んだという。

 対照的に山口県長門市の中心市街地から20~25キロ離れた俵山という山の中にある喫茶スペース併設の本・雑貨店「ロバの本屋」にも人が集まっていた。今夏に初めて訪れた際は、夫婦連れや小さな子供を連れた家族、若者グループなど複数組が来店しており、こんな立地でも人が来るのだと感心させられた。店主独自の本や雑貨の目利きに加え、緑に囲まれてゆったりと過ごせる空間などが支持されているのだろうとコーヒーを飲みながら推測した。

 「大手がやらないことができるのが個店の強み」という話を日々の取材でよく耳にする。同質化が言われるファッション業界の中で「個性を発揮しやすい個店にはチャンス」だというオーナーもいる。SNS(交流サイト)の普及で情報発信がしやすくなったことも追い風だ。目が届きにくいが、面白い個店は全国に点在しているはず。そんな店の発掘に努めたい。

(友)



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