《視点》靴

2017/09/05 04:00 更新


 3年ほど前のこと。新品のヒールサンダルが足に合わず、ひどい靴擦れができた。あまりの痛さに脂汗が滴ってくる。幸い商業施設内にいたため、靴を買って履き替えることにした。

 履き心地の良さそうな靴の並ぶショップを見つけて入店。目星をつけたモカシンを指して、サイズがあるか尋ねた。事情を説明し、試着のためにサンダルをぬぐと、ただれた皮膚があらわになった。「痛そうですね。靴擦れでしたら、お薦めがあるんですよ。これより少しお高くなりますが」と出してきてくれたのは、鹿革のモカシン。傷んだ足をマシュマロのように柔らかく包み込み、開放感と安心感で吐息がもれた。購入は鹿革に決めた。 

 今年、同じブランドのモカシンを新調した。「何か履きやすい靴はない?」と探していた母にも薦め、早速購入した模様。記憶に残る接客は、時を経てもファンを増やすのだ。同時に、ECに慣れ自己完結型になりがちだった最近の買い物を振り返り、久々にリアルなコミュニケーションを通じての買い物も楽しみたいなと思った。(維)



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