「ヴァレンティノ」21~22年秋冬オートクチュール アーティスト17人と協業

2021/07/27 10:59 更新


 「ヴァレンティノ」はこのほど、伊ベネチアで21~22年秋冬オートクチュールコレクションを披露した。会場となったのは水辺のドッグのような空間、水辺に浮かぶ白いランウェーに鮮やかなドレスが次々と現れる。「ヴァレンティノ・デ・アトリエ」と題したコレクションは、世界で活躍する17人のアーティストとのコラボレーションで服を制作した。

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 ピンク、パープル、ピスタチオグリーン、ラベンダー、柔らかな色をのせたドレスやスーツスタイルのレディスとメンズが揃う。ギャザーを入れたコクーントップにフェザーで雲のようなフォルムを描くヘッドピース、立体的なミニドレスは体に沿うようにシェイプを利かせる。ケープレットのように体を包むドレスにも美しい色がのせられる。ストレートドレスには手描きのような抽象柄が躍動する。ボリュームのあるセットアップも抽象柄やカラーブロックが主張する。メンズで特徴的なのは、白いラウンドTシャツと重ねた色のコントラスト。そしてパンツと重ねたタブリエのスタイルだ。

 ヴァレンティノがアーティストからインスピレーションを得てコレクションにするだけでなく、オートクチュールの知識や才能に対しアーティスト自身のクリエイティビティーで「応えてもらう」ことで、アーティストたちにもインスピレーションをもたらすことを目指した。コロナ禍を経て、ここ数シーズンはクチュールのモダナイズや日常性を感じさせるコレクションも見せたヴァレンティノ。秋冬は美しい色とアーティスティックな要素を感じることはできたが、モダナイズされたフォルムや新しい美しさにまで到達したのだろうか。それを判断するのは映像では難しい。「ファッションとアートは異なる目的を持ったクリエイションです。ファッションは体や動きと深い関係にあり、アートはいかなる制約からも完全に解放されています」とリリースにもあるように、体との考察によるファッションの驚きをリアルなショーで体感したい。

(小笠原拓郎)

ヴァレンティノ
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