バニッシュ・スタンダードは今年2月、ソフトバンク、リンクシェア・ジャパン、トランスコスモスと相次いで提携した。複数企業と連携し、提供するスタッフコーディネート画像投稿アプリ「スタッフスタート」(SS)の機能を拡張し、コンテンツ活用や販売スタッフの接客環境を向上する。
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ソフトバンクとはSS及び「LINEスタッフスタート」(LSS)の顧客提案に関するパートナー契約を結んだ。LSSはコミュニケーションツールのLINEを通じて、スタッフが直接接客できるのが特徴だ。LINEの相互に使い慣れたUI・UX(ユーザーインターフェイス・ユーザーエクスペリエンス)で誰もが上質な接客を受けられる。
ソフトバンクを通じてLSSに契約すると、必要に応じてスマートフォンやタブレットなど店頭で使うデバイスを、スムーズに同時導入できる。すでにTSIホールディングスが50台導入した。LSSはスタッフ個々のLINE公式アカウントを本部で管理でき、会社支給のデバイスで安心して利用できるメリットもある。
広告領域でもSSの活用が広がる。楽天グループのリンクシェア・ジャパンとの提携では、SSで投稿したスタッフコーディネートを素材とし、国内1億人以上の楽天会員の中から購買確率の高いユーザーに、リンクシェア提供のディスプレー広告およびフェイスブック・インスタグラム広告を配信できる。テスト導入したナノ・ユニバースとストライプインターナショナルでは従来の配信型広告に比べCTR(クリック率)が1.4倍、CVR(購買率)1.9倍と高い効果が出ている。
デジタル広告はプライバシー規制やクッキー制限などで、リターゲティングに頼らない広告施策が求められており、新しい広告手法の開発は急務だ。今後の本格導入で素材のバリエーションを広げた親身な広告表現や、ターゲティングの精度など運用・効果の向上が期待される。
「ショッピファイ・プラス」のパートナーでもあるトランスコスモスとは、提携で多様な産業でのOMO(オンラインとオフラインの融合)化促進を目指す。ショッピファイアプリ「スタッフスタート連携」の活用で、早く安く導入でき、幅広い業種・業態の売り場作りを支援する。商品レビュー投稿や特集のほか、販売スタッフの貢献度の可視化などを通じてシームレスな顧客体験を提供し、事業のOMO化を促進する。