ユナイテッドアローズ(UA)は19年秋冬から、新ブランド「ロエフ」をスタートする。トラディショナルを軸に、シルエットや素材にこだわった商品を提案する。ウィメンズからスタートし、20年春夏からメンズも始める。
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いろいろなスタイルや流行を経験した大人が「頑張らなくても自分らしくいられる服」を企画する。トレンドを追うのではなく「変わらず長く着られて、コーディネートに悩まずにシンプルに着られる服」を意識する。
着る人には伝わる、細かなディテールの創意工夫も特徴だ。19年秋冬物の白いパンツは、地厚で長く着ても色が変化しにくい生地を使った。女性はウエストと腰回りに差が出やすいため、ウエストにボタンを二つ付け、ファスナーを通常より下の位置に斜めに付けることで、差があってもきれいに着こなせるようにした。シャツはメンズのドレスシャツのようなディテールを女性が着やすいシルエット、パターンに落とし込んだ。ボタンを全て閉めても開けてもしっくりくるように、ボタンを付ける位置にもこだわった。
平均価格は、アウター6万~12万円、ジャケット3万8000~8万8000円、ニット2万5000~5万円、シャツ2万3000~3万1000円、パンツ2万8000~3万8000円、ワンピース4万5000~6万8000円。
8月からUAの一部店舗と、卸売りを中心に販売する。UAの店舗では一部を除き、コーナーを設けてブランドのイメージをしっかり伝える。今後はさらに卸し先を増やしていきたい考えだ。

♦ディレクター兼デザイナー 鈴木里香さんに聞く
無理せず自分らしくいられる服を作りたい
「ロエフ」ディレクター兼デザイナーの鈴木里香さんに狙いを聞いた。
ユナイテッドアローズは、若い人から大人に向けた服までオリジナルで作っていますが、ロエフではおしゃれを楽しんできた大人世代が今着たいと思うような、もっと言えば、若い人に40~50代になったら、あんな服を着たいと感じていただけるような服を作っていきたいと思っています。
ファーストシーズンはウィメンズのみですが、ベースにしているのはトラッドです。シャツやニット、パンツもコートも、体にぴったりフィットするより適度にゆとりを持たせ、それでいて女性らしく見えるシルエットにしました。トレンドを意識せず、気張らず、自分らしくいられる服を目指しています。
19年秋冬は70型近くを企画しました。メンズアイテムをベースにしたデザインが多いですが、ただサイズを女性向けにしただけではしっくりこないので、ウエストの絞りがないメンズライクなジャケットでもパターンから女性用を作成し、それをメンズの工場で縫製してもらっています。
決して安くはないですが、服が好きな大人のお客様が実物を見たときに、この商品がこの価格なら買いたい、と思ってくださるような品質、仕様にこだわっています。トレンドを追いかけるつもりはないですが、他の店にはないオリジナルとして、レベルの高い商品を作り続け、ファンを増やしていきたいと考えています。
