マッシュスタイルラボが、アンダーウェアの新ブランド「アンダーソンアンダーソン」を立ち上げる。〝日本で一番古い新素材〟として和紙繊維を全面的に使う。素材開発はITOI生活文化研究所の糸井徹代表が担当し、ITOIが特許を持つ和紙の糸の独占実施権もマッシュが取得。通気性や消臭など和紙の特徴を生かした快適な肌着を揃え、19年中に1号店を出す。
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「日本古来の素材を、日常的に着られる肌着として世界へ届けたい」と近藤広幸社長は話す。長年、和紙繊維を研究開発してきた糸井氏を通じて和紙の可能性を聞き、ブランド化に至った。多孔質のため、室内の湿度を快適に保つ機能素材として古来から障子に使われるなど、独自の価値にも着目した。
新ブランドでは、消臭・抗菌性、通気性をはじめ和紙の多彩な機能を打ち出す。特許の、ポリエステルを芯に和紙繊維を巻いた糸を使うことで、伸縮性のある生地が可能だ。原材料には、国内外の管理された森林で採取した木材を使う。撚糸の機械は番手ごとに世界で1台しかない特殊な物で、生産量は限られる。素材のブランディングも進め、マッシュが「WASHIFABRIC」を商標登録申請中だ。
メンズ、レディス、ベビーがあり、Tシャツ(スタンダードタイプで6000円)やボクサーショーツ(3000円前後)、ハーフトップ、スウェットシャツ、パジャマ、インソール、靴下など。ウエストゴムなどを除き、肌に触れる部分の99.9%が和紙となる。商品は淡く落ち着いた色合いで、環境に優しい「ボタニカルダイ」を採用。無染色のものもある。さらりとした肌触りだ。定番品は基本の5サイズと、それらより丈を短くした5サイズの計10サイズ。洗濯洗剤など、和紙素材以外の生活雑貨も販売する。
肌着としては安くはないが、「ファンが付く商品になるのでは」と期待する。本物志向の人々の快適な生活をサポートし、マッシュグループの〝ウェルネスデザイン〟の理念を実践する。プロデューサーは近藤社長、ディレクターは村山元一氏、チーフデザイナーは中西孝史氏。今年中に東京・新宿に1号店、20年に2号店を目指す。内装にもこだわり、自然や光、白を表現する。ECや一部セレクトショップへの卸販売も検討する。