UA 試着体験シェアアプリを導入 ECで“試着”共有

2019/03/01 16:00 更新


 ユナイテッドアローズ(UA)は、試着体験をシェアできるスマートフォンのアプリケーションを導入する。来店客がリアル店で試着した商品の画像や感想をアプリ経由で投稿し、その情報を自社ECの客が閲覧することで購買を促す仕組み。オムニチャネル戦略の一環として取り組む。

 このアプリによるサービスを提供する新会社フィットムをコンサルティング企業のシグマクシス、博報堂DYメディアパートナーズと設立した。5月上旬からアプリの提供を開始し、UAの各ストア業態で同アプリのサービスを活用する。24年までに1000万ダウンロードを目指す。

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 開発したアプリ「フィットム」は、自社ECで販売する商品を表示し、ユーザーがその中から試着情報が欲しい商品を指定、店頭でその商品を試着した客が画像やコメントをアプリに投稿し、ECでの購入を考えるユーザーにサイズや素材、着用イメージを伝える仕組み。

 店頭での試着画像を投稿するユーザーにはポイントを付与し、一定量を貯めると、店とECでの購入時に使える。試着リクエストの多い商品はポイントが多くなる。リクエスト数と試着投稿の数から、どの商品への関心が高いか、実際にどれが売れたかの情報を得ることもできる。

 ECへの不満で多い「試着できない」という問題の解決に取り組むなかで、デジタル分野でのコンサルティングサービスを提供するシグマクシスと出会い、フィットムを開発した。昨年9~11月に600人を使ったテストマーケティングを実施し、効果を確かめ、導入することにした。

 このアプリによるサービスを提供する新会社は資本金1億円でシグマクシス39%、UA34%、博報堂DYメディアパートナーズが27%を出資する。共同出資会社による事業にしたのは、同種の悩みを抱える他の小売業やブランドでもこのアプリの機能が有効と判断したため。今秋にはUA以外の小売り数社での導入を見込む。

試着体験を共有することで、リアルとデジタルを結びつけた買い物体験の提供を狙う


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