TSIホールディングスは、今年4月に公表した中期経営計画「TIP27」(TSIイノベーションプログラム2027)で示された収益構造改革の進捗(しんちょく)を公表した。仕入れ先や工場など商品調達先の集約化や細かい価格設定などを進めており、早いものは24年秋から実行、より形になってくるのは25年春以降になる。「メクル」など収益改善の見込めないブランドの撤退も決めた。収益構造改革を通じ、最終年度である27年2月期に100億円超の営業利益を目指している。
(永松浩介)
【関連記事】TSIホールディングスの3~5月業績、原材料高騰などで減益 構造改革は「計画通り」
調達ソースの集約化については、中計最終年度(27年度)に27億円の改善を目指している。来年の春夏から生産リードタイムの短いブランドで先行し、仕入れ先や工場の集約と生産地移転に取り組み、25年秋冬は、ほとんどのブランドを対象に効率化を進める。
需給ギャップを埋める目的で、競合先も含めた社内外のデータを活用しプライシングも見直している。今秋から主力ブランドに反映させている。MDに一任していた値決めをチームであたり、価格の根拠をはっきりさせ、場合によっては10円単位で細かく設定する。25年春夏以降も対象ブランドを拡大する。
店舗の運営コストの見直しも進めており、実店舗では人件費の効率運用のため、シフトや配置などを見直している。担当ブランド以外の業務を担う共通販売員制度も取り入れるという。
オンライン店舗であるECは、25年春を目標にTSIの13のECサイトと会員サービスを一つに統合、新・「ミックスドットトウキョウ」としてオープン。来期以降、業務オペレーションの共通化で大幅なコスト削減につなげる。
不採算ブランドの撤退も決めた。四つのブランドポートフォリオの中のデジタルジェネレーションに属するメクルと「シャロル」を休止する。また、本社組織の効率化をさらに進め、25年2月末をめどに、本社人員を2割ほど減らす。希望退職などを募る可能性もある。一連の構造改革が業績に反映されるのは第3四半期決算あたりからになりそうだ。