シニア向けのアパレルを企画・製造・EC販売するトリニティ(兵庫県西宮市、添田優作代表)の60~70代を対象としたDtoC(消費者直販)レディスブランド「ヨウカ」は、会員数を前年比で10%伸ばしている。従来のシニア向けアパレルにはあまりない「年齢を重ねたからこそ着こなせる」鮮やかな色の服を打ち出している。
(藤本祥子)
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同社は、ヨウカを始める前からシニア向けのアパレルや介護用品をネットで販売する「TCマート」を運営している。TCマートとは別のブランドを立ち上げて、「本人に選んでもらえるアパレルブランドを作りたい」との思いがあった。きっかけとなったのは、添田代表が本屋で手に取った写真集『アドバンストスタイル-ニューヨークで見つけた上級者のおしゃれスナップ』。60歳以上の女性たちの着こなしを紹介しており「(シニア向け)ファッションの可能性を感じた」と振り返る。

ヨウカでは、トレンド要素をデザインで取り入れつつ、60代以上だからこそ着こなせる鮮やかな色使いが特徴の服を販売している。色使いのイメージは「パリのマダム」だという。商品を企画する際は「後ろファスナーを使わない」「楽に着られる」などを意識している。1枚着るだけでおしゃれ見えする重ね着風ワンピース(税込み1万3900円)や、コーディネートの差し色に使えるピンクや清涼感ある緑のセミワイドパンツ(1万900円)などが揃う。中心価格はトップが7000~1万円、パンツが1万円前後、ワンピースが1万5000円前後。


等身大のブランドにしたいと、ターゲット層と同じ年齢の着用モデルを起用している。日本グレイヘア協会との商品開発も進めている。24年5月には、阪神梅田本店5階イベントテラスで期間限定店を開いたこともある。知名度を高めて、指名買いをしてもらえるブランドにしていきたい考えだ。