値札などのタグを洋服につけるひもやプラスチックのループ。地味だが無くてはならないタグループを企画・製造・販売するトップメーカーが、TSIグループのトスカバノック(東京)だ。1本にすればわずか数十銭から数円の商品だが、そこには生産現場の地道な技術改良の跡が宿る。市場を見渡すと、価格で下をくぐる同社のコピー品が出回るが、「まねされるのは認知の証左。これからもコピーされるものを作り続ける」と照沼昌雄社長。金型を内製する三芳工場(埼玉県入間郡)を開発拠点に、海外市場の本格開拓も展望する。
(永松浩介)
トスカバノックは、東京スタイルの開発課を分社したトスカ(76年設立、11年にTSIグループ入り)と日本バノック(67年設立、当時は日本バノック商会)が13年に合併して生まれた。19年には製造を請け負っていたメックモールドも合流し、トスカが企画、バノックが販売、メックが製造と、製販一体の体制が整った。上海とベトナムには販売会社があり、後者は生産機能も有する。