東レ「&+」若手社員中心に市場開拓 白無垢や次世代車両空間が話題

2023/10/12 11:00 更新


車両空間コンセプト「ティーウェーブCX1」は「ウルトラスエード」などで快適空間を提案

 東レはサステイナビリティー(持続可能性)に焦点を当てた素材開発、サービスを訴求する。幕張メッセで開かれたサステイナブルマテリアル展では、リサイクルポリエステル「&+」(アンドプラス)で作った婚礼衣装の白無垢(むく)や、次世代の車両空間コンセプトモデル「ティーウェーブCX1」が話題を集めた。

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 アンドプラスは回収ペットボトル由来のポリエステルで始め、今年はリブランドでリサイクルナイロンを加えた。若手社員らによるマーケティングに力を入れ、消費者の共感を呼ぶプロジェクトを目指す。

 同展ブースにアンドプラスで作った白無垢を展示し、回収ボトルとフレーク、再生チップを並べて循環の流れを紹介した。この白無垢は、若手社員がコロナ下で結婚式を挙げられなかった同期にプレゼントしたもの。着用し挙式した様子の映像も流した。

社員が結婚式で着た「&+」の白無垢を展示

 他に、リサイクルとバイオベースの環境配慮素材で、繊維や樹脂、フィルムなど幅広い商品を展示した。環境特性だけでなく、ナイロン6にない低吸湿性が評価されてテントのフライシートに採用されたナイロン610の事例も紹介した。また、ホンダと取り組みを始めたナイロン6のケミカルリサイクル、膜利用での二酸化炭素分離など新技術を見せた。

 モビリティー関連では空間内装コンセプトのCX1を展示。自動運転に求められる車内の快適性を東レ素材で表現、シート・壁・天井には100%バイオベースポリエステルを基布に使った人工皮革「ウルトラスエード」を採用した。他に、水やほこりが入りこまないナイロン製の防汚カーペット、ディスプレーにもなる遮光・遮熱窓、丸編みとフィルムを貼り合わせて立体とフラットが瞬時に切り替わる肘置きのトレーなどグループの総合力を盛り込んだ。

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