東急不動産はNFT(非代替性トークン)を活用した商業施設での新たなコミュニティー作りの実証実験を東急プラザ渋谷で、3月12日に開始した。4月3日まで。実験を通じて、「都心の商業施設でオンライン上のコミュニティーがいかに形成でき、リピート来館につながるかを検証したい」(都市事業ユニット都市事業本部商業施設運営部首都圏運営企画グループの田島藍氏)という。
(有井学)
3階の直営スペース「111」(イチ・イチ・イチ)で、NFTマーケットプレイスの運営などを行うハーティ、丹青社、DX(デジタルトランスフォーメーション)事業などを行うピクシーダストテクノロジーズと共同で実施している。アーティストの中條亜耶氏とNFTクリエイターのWhiplus氏によるチンアナゴをモチーフにしたデジタルアート作品「浅瀬のおともだち」を計1111点展示。土曜日・日曜日の来場者限定で作品の事前購入権となる「ホワイトリストNFT」を配布し、それを所有する客のみが加入できるオンライン上のコミュニティーを作り、事前購入権に加え、東急プラザ渋谷で来年度上期(今年4~9月)中に開催予定の限定イベントの参加権などを配布する。併せて、平日を含む実施期間中に来場者全員に3匹のチンアナゴをデザインした作品がもらえる「来場記念NFT」を無料配布している。
東急不動産はコロナ下での消費者の購買行動の変化も踏まえ、「次世代型商業施設」を目指した新たな取り組みを積極化している。昨年11月27日~今年1月9日には、東急プラザ表参道原宿にハーティによるNFTアート作品のギャラリーを開設した。
今回の実証実験は「NFT所有者のコミュニティーが活性化していることに着目」し、企画した。今回の検証を踏まえ、他の都市型商業施設での実施も検討する。