東京ブランドの21年春の展示会が続々と始まった。コロナ禍でスプリングコートを売るのが大変だった経験から、サンプルから丈の長いコートが減った。代わりに増えたのがテーラードやシャツジャケット。軽い質感のアウターが充実している。型数は例年の5~8割ほどに減らし、必要なアイテムをしっかり作る傾向だ。なかでも、リラックスしながらおしゃれが楽しめる服の提案が広がっている。
(青木規子)
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「トーガ」のムードをデイリーに落とし込んだトーガ・プルラの21年プレスプリングコレクションは、デザイナー自身がコロナ禍に見た写真集やアニメが着想源になっている。一つは、芸術家ジェイムズ・リー・バイヤーズのダクトを撮影した写真集。ダクトを家の中と外をつなぐものとして捉えて、現状と照らし合わせた。「コロナ前の必要のないルーティンを捨ててニューノーマルの道を考えたコレクション」という。
そのイメージを強く反映したのは、家着と外着の両方の用途を併せ持つインナーシリーズ。5年前にスタートしたラインで、これまでは定番のシャツやパンツが主だったが、今回はフリンジが揺れるストレートドレスやレーヨン・リネンのセットアップなどレディス・メンズ全12型を作った。家にいる時間は増えたが、リラックスしながらおしゃれしてほしいという気持ちが込められている。店では、リラックス効果や自律神経を整える効果があるCBDオイルをセットにして販売する。