東京ブランド20~21年秋冬 異なる側面を遊びで両立

2020/07/10 11:00 更新


 東京ブランドの20~21年秋冬向けは、着用する人がアレンジして複数の着方ができるアイテムが目を引く。異なる二つの側面を両立させているものもある。メンズライクなスタイルをベースに、型にはまらない、柔軟性のある着こなしに女性らしさが出ている。

(須田渉美)

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 「人それぞれのいろいろなマッチングを引き起こす余白をデザインした」というのは「ウジョー」(西崎暢)。テーラードアイテムをアシンメトリーにレイヤードする中で、左右のパーツが独立するブルゾンを作った。サイドをベルトで留める仕様で、様々なアイテムの上からアクセサリー的に着用して、異素材やシルエットの変化を楽しめる。ポリエステルの3重織りを使っていて、立体のフォルムを崩さずにエレガンスを立たせる。

ウジョー
ウジョー

 「ステア」(武笠綾子)は、裏地がボアになったムートン風のボンディング生地で、襟を取り外しできるジャケットを作った。襟の先が前身頃のように伸びてコート風のレイヤードスタイルに見えるが、肩に掛けたり、フロントで結わえたりと、ストールのようなアクセント使いができる。取り外すと、ショート丈のノーカラージャケットに。暖冬でも、冬らしいボリューミーな遊びを楽しめる一着だ。

ステア

 異なる印象を一つのドレスで表現したのは「サポートサーフェス」(研壁宣男)。トラッドチェックにラインが入った生地をバイアスに使って、シンプルなフォルムをドレープで見せた。首元は、片側から伸びる生地をクロスして流してリラックスムードに仕上げているが、ボウタイのように結ぶときちんと感が加わる。ウエストを細いベルトで留めると、クラシックで気品あるスタイルに。会う人や着用シーンに合わせて、着方を調整できるスマートさがある。

サポートサーフェス
サポートサーフェス

 「エムズブラック」(松下貴宏)は、スーツ地を使ったオールインワンをジェンダーレスな印象で見せた。脇下から広がりパンツの部分が超ワイドなパターンになっていて、ラフにビッグシルエットを楽しめる。パーカなどとストリートな着こなしも出来そうだ。一方、腰のベルトを巻き付けて留めるとキリリとした表情やテーラードっぽさが立つ。

エムズブラック
エムズブラック

 「チノ」(茅野誉之)は、片側がレイヤードの作りになったワードローブを揃えた。ネイビーのテーラードジャケットは、インサイドアウトを応用し、身頃をひっくり返すと艶やかな赤の裏地が出てきて配色のコントラストで知的に見せる。カジュアル感のあるケーブルニットは、ロング丈カーディガンをドッキングし、リボンを添えて女性らしいエレガンスを引き出した。その袖を外すとストールのように巻き付けてアレンジできる。

チノ
チノ

 自立した女性のリアルクローズを多彩に見せる「アオイワナカ」(和中碧)は、日々のスタイリングに遊びを添えるアクセサリーパーツを充実させた。「ウルトラスエード」を使ったボレロは袖下にレースアップのディテールが入り、きれいにラウンドしたカットラインでクリーンに見せる。メタルのボタンを肩の位置にし、レースアップを付け替えるとスタンドカラーのベストに。太めの糸でダブルステッチを入れてミリタリー風のアクセントを添えている。

アオイワナカ
アオイワナカ


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