東京ブランドは20~21年秋冬、ニットウェアの表現が一段と多彩になった。クラシックムードやレディーライクな着こなしにとどまらず、自立した女性像や精神的な強さを主張する手段となっている。
(須田渉美)
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◇緩やかな曲線
今年らしさを感じさせるのは、袖や腰回りにボリュームを出したシルエット。程よくハリがあって、丸みを帯びたラインが柔らかに映える。
歴史的なアイテムや古着などを再構築する「ハイク」(吉原秀明、大出由紀子)は、ミリタリーを思わせるリブ組織のセーターをアレンジ。肩と袖のつなぎ目を切り替えずに延長し、縦の目のハリを生かして袖に膨らみを出した。ミリタリーの残像もありながら、肩に沿って滑らかに伸びる線がエレガンスを際立たせる。レギンスにタイトシルエットのスカートを重ねるセットアップでラフさを添える。