トウキョウベースは収益基盤の強化に取り組む。今期(25年1月期)は前期比微増収だが、営業利益は1.8倍を見込む。前期赤字だった中国は出店エリアを絞り、ECは値引き抑制を継続する。今秋には二つの新業態もスタートする。
(柏木均之)
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24年1月期は売上高199億8600万円(前期比4.2%増)、営業利益8億8100万円(309.8%増)だった。国内は出店を抑制、中国は不採算店舗を減らし、ECはタイムセールを廃止した。この結果、中国事業とECは減収だったが、国内と香港がインバウンド回復で増収だった。
今期は中国で4店をさらに閉じ、上海、北京、深圳、広州エリアの8店に絞って販売力を底上げし、営業黒字化を目指す。ニューヨークにも出店する。ECはクーポン配布も廃止し、値引き依存からの脱却を進める。
今秋スタートするのは、一つが「ステュディオス」より若い20代前半向けのカジュアルセレクト業態で、もう一つはオリジナルの「ユナイテッドトウキョウ」「パブリックトウキョウ」より上の35~45歳向けのウィメンズ業態という。
収益基盤を確立したうえで、26年1月期からは初の中期経営計画をスタートする。谷正人CEO(最高経営責任者)は、「ステークホルダーに約束できる指標として無理のない計画を立てた」と話す。
既存業態の新規出店に加え、新業態も三つスタートする。M&A(企業の合併・買収)も実施し、最終年度の28年1月期に売上高300億円(25年1月期計画200億円)、営業利益30億円(16億円)を目指す。