東京モード学園 「長崎タータン」でデザインコンペ 居留地まつりで披露

2022/09/05 06:26 更新


長崎居留地まつりでのお披露目に向けトワルの修正を重ねる森さん

 「長崎タータン」を広め、地域の活性化へ――東京モード学園はこのほど、長崎独自のタータンチェックを使ったデザインコンペティションを実施した。長崎居留地まつり実行委員会と長崎居留地まちづくり協議会との協業で、地域ブランディングの一環。受賞作品は9月に開催される長崎居留地まつりで披露する。

 長崎タータンは16年にスコットランドが図柄を作成し、19年ラグビーワールドカップ時にスコットランドラグビー協会が長崎市に寄贈した。独自のタータンチェックは長崎県ラグビー協会のイメージカラーの緑を基調に、市花のあじさいの紫をきかせている。長崎市は10年、長崎居留地にゆかりがあり、日本近代化に貢献した貿易商トーマス・グラバーの出生地、スコットランドのアバディーン市と友好提携した。

 こうした背景から、長崎市は旧外国人居留地の歴史を生かした街づくりに力を入れている。そこで、今回の東京モード学園との協業が実現した。

 コンペティションは7月に行った。ファッションデザイン学科の3年生130人は授業の必須課題として取り組み、2年生は自由応募を募り、147人が参加した。3年生の授業では知識を深めるため、タータンチェックの歴史や、長崎タータンが同県でラグビーチームのウェアにも使用されていることなどを教師の小久保直明氏が講義した。デザイン画制作にあたっては、チェック地の使用例を示しながら、自由な発想を促した。

 最優秀作品に選ばれたのは3年生の森光輝さん。「リアルクローズ」を共通のテーマとして意識するなか、「無地との組み合わせが絶妙で際立っていた」と評価された。デザインは「大人カジュアルに甘めのエッセンスを加えた」と森さん。ブラウスは肩の部分にラッフルを装飾し、スカートはアシンメトリーヘムで動きを出した。それを黒のハーネスできりりとしめる。

 学生の関心や参加意欲は高かったという。小久保氏は「学生にとってパターンから作成した服を(お披露目の場で)モデルに着てもらえるのは喜び。良い経験になる」と今後にも期待を寄せる。

森さんは「電話で結果報告を受け、嬉しかった。服作りへの向上心が高まった」と話す


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