東京デザイナーブランド 17~18年秋冬

2017/02/03 06:30 更新


 17~18年秋冬の海外コレクションへとバイヤーが出張に出る前に、東京のデザイナーブランドも続々と新作を発表している。17年プレフォールコレクションと17~18年秋冬のメインコレクションを見せるブランドの両方が混在しており、非常に複雑だ。

どの時期にどんな形で商品を発表するのがベストなのか、各ブランドが模索している。ここでは、秋冬のメインコレクション展示会を既に行った3ブランドを紹介する。

 

●ルール・ロジェット 濃いデザインに絞って手応え

 70年代のムードを感じるロマンティックなデザインを、オリジナルで作り込んだアラベスク柄のジャカード織りに、花やタイル模様のプリント、マリア・ケントやルサージュのツイード、カリアッジのカシミヤといった上質素材で見せる。ただ甘いだけでなく、エクストリームな強さがあるのがこのブランドの魅力だ。「16年秋冬からより濃いものにアイテムを絞ってきた結果、手応えを得た」(大野達也社長)ことから、比較的買いやすい価格のベーシックラインを休止し、得意分野に磨きをかけた。

 13~14年秋冬から米のショールーム、ザ・ニュースと契約し、海外卸し先を開拓、米サックス・フィフスアベニューなどでの売り上げが大きくなっている。今後は直営店出店などでの世界観の表現、アジアや欧州圏での新しい売り方の模索が課題という。

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ルール・ロジェット コート16万円、プリントドレス7万9000円、ファーマフラー2万6000円

●ニアー・ニッポン それどこの?と言われる服

 「よくあるデザインとは違うけれど、ハードルは高すぎない」というゾーンを狙い、一般企業で働く大人女性が会社にも着て行けて、「それどこの?」と言われるようなブランドを目指している。実際、16~17年秋冬は、アシンメトリーヘムのミディースカートが雑誌『ストーリィ』への掲載などもあってヒットした。

 17~18年秋冬は、自然のモチーフをモダンに落とし込むことがテーマ。前秋冬から取り入れているニードルパンチのウールコートでは、めのうのマーブル模様を白いウールに浮き上がらせた。立体的な編み模様のモヘヤ混セーターやウレタンコーティングのボリュームスカートなど、思わず触ってみたくなるアイテムが豊富だ。

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ニアー・ニッポン コート7万8000円

●トモウミ・オノ 端正なアウターが好反応

 アウターに定評があることから、上質な素材を使った端正なコートを充実した。うなじを包み込むようなパターンになったウール・カシミヤのダブルフェイスのガウンコートに、なめらかな仕上げのメルトンを使ったダブルフロントのバイカラーコートなどがバイヤーから好反応という。

 ブランドとして新鮮なのはダッフルコート。袖を持ち出しのパターンにすることでカジュアルになり過ぎず、大人が着られるダッフルに仕上げた。卸し先はアングローバルショップなど。

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トモウミ・オノ コート10万円


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