東京ブランド24~25年秋冬 なじみのあるミリタリーを今のバランスで見せる

2024/05/01 15:00 更新会員限定


 東京ブランドの24~25年秋冬は、ミリタリーウェアをベースにした着こなしが広がった。スタンダードアイテムとして定着しているMA-1に加えて、なじみのあるモデルやディテールを応用したアイテムが目立った。すっきりとした輪郭、軽やかさを強調しながら、品のあるスタイルへと進化している。

(須田渉美)

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 「ザ・リラクス」(倉橋直実)はテーラーリングにミリタリーやスクール要素を掛け合わせ、現代的なユニフォームを再構築した。持ち味の男性的な強さのあるシルエットに、女性らしい柔らかな線が加わった。大きめのシルバー色のドットボタンを付けたラグランスリーブのシャツブルゾンに、マリン仕様のラップスカート。途中から薄手の生地に切り替え、さりげないドレープで抜け感を出す。アクセントはセーラー巻きのスカーフ。CPOジャケットにはフロントにタブが付いて、共布のスカーフを通してエレガンスを際立たせる。フロントのボタンをとったトレンチコートは、襟の下にセーラー巻きを添えた。

ザ・リラクス

 ジャージーウェアを多彩に見せる「コグ」(イマエダノリコ)は、ミリタリーやワークウェアを生かし、変化に富んだアウターを充実させた。ミドリフ丈でカットしたピーコートは、襟を立てたときのシルエットやサイドポケットのウェルトなど、クラシックな雰囲気を残しながらアクティブなムード。裾にギャザーを寄せたプルオーバーなど、異なるニュアンスのアイテムをレイヤードして見せる。鉄道作業員のレイルロードコートから派生したコートも、きりりと襟を立たせてマスキュリンなたたずまい。前身頃の袖の付け根を直線のカットですっきりと見せ、サイドポケットを斜めに付けるなど、シームに変化を付けた。

コグ

 今シーズンは、M-51などをベースにしたライトウェイトのコートが多く提案されている。「イロット」(鳥居なぎさ)は、レザー調の光沢加工を施したサテンを使い、フェミニンな魅力を持ったミリタリー仕様のアウターを作った。モッズコートは、フラップポケットをファスナーに替え、ドローコードでウエストを絞る。元々あった機能のディテールを、現代の女性のワードローブに合った形へと変容させる。襟をリブニットで切り替えたフライトジャケットもある。袖に膨らみを持たせ、丸みを帯びたシルエットで艶っぽさを感じさせる。

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